本:植物図鑑

先日、2016年上半期に読んだ本の最後がこの本でした。

『植物図鑑』 有川 浩,角川書店syokubutuzukan

最近映画になったんですね。
高校の同級生がfacebookで観に行ったと
書き込んであったのをみて、
逆に同名の有川作品を知りました。

もともと有川 浩さんの作品は結構好きなんです。
自衛隊三部作(塩の街、空の中、海の底)も
好きですし、図書館戦争も良かったです。

有川作品のどこがいいかと言えば、
「ベタ甘」とも評される恋愛部分と制服系のハードな部分が、
うまくからみあったところなわけですが、
ちょうど少女漫画を本にして読んでいるような味わいなんですね。

だから、ちょっウザッタイくらいの心理描写が楽しいのですが、
うちの嫁さんはそこがちょっときついらしいです。
なんだか夫婦で好みが逆みたいです。

ただ、今回の植物図鑑は、
そのウザッタイくらいの心理描写は影を潜めてしまいました。
そこはちょっと残念。

ただ、作品中に登場する私と
お相手の男子(イツキ)の軽いトークと、
二人で山菜を摘みに行って料理するところがいいですね。

「雑草と言う名前の草はないのです」というのは
昭和天皇のお言葉ですが、
小説の中にもその言葉が出てくるように、
普段何気なく見ている風景の中に、
名も知らぬ草花がたくさんそこいら中に咲いています。

でも、それは、名前がないのではなく、
自分が名前を知らないだけ。
これは非常に 残念なことです。

以前から、自然の音をよく聴くようにしましょう!と書いています。
そんな中でも、鳥の鳴き声などはいい対象です。
そして、鳥が鳴いているのを聴いたら、
その鳥が何という鳥なのかについてもわかるといいですね。

ふと、眼に留まった雑草の花なども、
それが何の花なのか、ちゃんと答えることができる、
こういう事が豊かな人生ではないかと思うのです。

そんなことを考え出したらいろいろと出てきました。
・鳥の名前を言える
・草の名前、花の名前、木々の名前が言える
・そうした中から食べられるものがわかる
・昆虫の名前、魚の名前を言える
・星座の名前、星の名前が言える
・食卓に並んでいる料理の食材が言える
・その食材がどこで生産されたものかが推定できる
・近くの神社の縁起や祀られている神様について知っている・・・
・二十四節句が言えて、その由来を知っている
などなど

一つ一つについては、
それを仕事にしている人もいれば、趣味を深めている人もいて、
なかなか太刀打ちできません。
すべてのことにエキスパートになるのは難しいですが、
「広くちょっと深く」でもいいかなと思っています。

こういうことは最近はインターネットのおかげで、
ある程度はすぐに知識を得ることができるようになりました。

ただし、生半可な知識だと命に関わることもあります。
たとえば、小説の中にも出てきますが、
「野草を食べること」などは
毒のあるものをきちんと見分けるだけの十分な知識が必要です。

まあ、こんなことができても、
たとえば、昆虫の名前がきちんと言えたとしても、
それが人生に何の訳に立つのかと言われると、
何とも答えに窮してしまうのですが。