日本めまい平衡医学会に行ってきました2

昨日に続いて、めまい平衡医学会で僕が注目したところです。

<ポスター>
・P10田浦先生
頸性めまいでは後屈時に重心動揺検査で異常がでやすい

・P18畑先生
突発性難聴の前庭障害:前庭症状がなくてもCCD52%・ENG62%で異常あり

・P26伊藤先生
蝸電図、グリセロール検査よりも高感度造影MRIの方
が内リンパ水腫が検出しやすい。
(今後は内耳のMRIで内リンパ水腫の存在をみるようになるのかなぁ)

・P31乾先生
内リンパ水腫を疑う難聴では、
グリセロール検査でメニエール病の聴力予後が推定可能かと
陽性の方が聴力改善しやすい(まあ、なんとなくそんな感じはしていたけど)

・P34宮尾先生
外リンパろう疑い例に対する手術
聴力改善は期待できないがめまい改善は期待できる

・P38滝本先生
マウス前庭神経核にセロトニンの受容体あり
(その生理的な意義はなんでしょう?
逆にセロトニンが少ない場合は平衡感覚が過敏になるってこと?)

・P39佐藤先生
前庭情報は海馬背側に優位に入力あり。
(前庭情報が海馬に入力されることで、空間認知に関与すると言われるが、
めまいの記憶もしっかりと記憶されて、これが新たな不安を呼ぶ原因でもある。)

・P45角南先生
前庭神経炎におけるvHIT:Caloric検査に代わりえる
(vHITは現在めまい検査のトピックスです)

・P50阿久津先生
vHIT・Caloric・VEMPを全部することで、前庭神経炎を細かく分類でき、
リハビリをきめ細かく指導できる

・P52福岡先生
BPPVの再発予防には水分摂取が有用

・P59山田先生
めまいに対する心理的影響の評価:
Hospital Anxiety and Deppression Scale:HADS 不安と抑うつの評価によい

・P66白石先生
交通外傷後めまいで異常なし⇒VENPで異常が見いだせた症例

・P67北島先生
耳管開放症で呼吸運動でめまい

・P69岸部先生
進行性難聴ではANCA関連血管性中耳炎(OMAAV)を疑え

・P71落合先生
歯のかみ癖によるCosten症候群
ガムをかませたら眼振が出現、かみ癖を直したら症状改善

・P80平川先生
起立性低血圧はよくいうが、起立性血圧上昇もある

・P81藤井先生
めまいに駆於血剤
一番指標とするなら肩こりと舌下静脈怒張だと

・P88植村先生
めまい患者の中にDHI高知の心因性要素の強く関与したものがみられる

・P89中村先生
めまい患者の中にはベンゾジアゼピン系薬剤常用者が多く含まれ
めまいに何らかの影響を与えている可能性がある

・P87-P96
(いずれもめまいに対する心因性の評価に対して
Dizziness Handicap Inventory(DHI)を使用して評価)

・P97新井先生
半夏白朮天麻湯の使用目標をはっきりさせるために、
気虚スコアの中から消化器症状に関する部分をぬきだした質問を使用
半夏白朮天麻湯はめまい患者に対してメリスロンと同等の効果あり

・P99増田先生
前庭代償不全に対して深部経頭蓋磁気刺激(TMS)
健側小脳の過剰興奮を抑制
効果は1ヶ月程度持続

・P100前田先生
前庭リハビリテーションにウエストポーチを利用

・P120中田先生
めまいで発症した傍腫瘍性小脳炎

・P147岡田先生
先生が所属されていたカヌー部における下船後症候群に関するアンケート
結構な学生が症状あり。
症状は練習後脱水傾向のある時に出現
練習によって症状改善していくが、1年後再度練習するとやはり出現する
比較的緩やかな流れの方が症状がでやすい

・P148-150
いずれも小児良性発作性めまい症(Benign paroxysmal vertio,BPV)について
(今まであまり話題になることのなかった疾患概念だが
最近注目されている)
(同じ傾向が偏頭痛関連めまいにもあり、現在トピックスに。
今後BPVもそうなりそう。いずれも偏頭痛関連と同様中枢性)

・P151永沼先生
新起立試験(勉強しなきゃ)

<めまいのリハビリテーションについて みなとみらい病院新井先生>
・新興宗教に教祖様か通販番組の販売員かと思わせる(?)、
聴衆をグイグイ引き寄せる新井先生の名トーク。
・方法については本などで知っていたが、実際に先生から話を聞くのは有益だった。
・リハビリの実際の時に、「1、2、3・・・」と声を出して行う事が重要。
・歩行や坐位・立位の時にも声を出す。「私は負けない!めまいを治す!」
・集団リハビリテーションで同病の先輩が後輩を指導:相乗的効果

それにしても、このめまい平衡医学会という学会、
昔からそうですが、マニアックな学会です。