日本めまい平衡医学会に行ってきました

水曜日午後と木曜日を休診にさせていただいて、
日本めまい平衡医学会総会に出席してきました。

今年のめまい平衡医学会は岐阜でありました。
この時期は紅葉の綺麗な季節ですので、
時間があったら、金華山に登って、
りす村(今でもあるのかな?)にも行きたいなと思っていたのですが、
今年は、雨降りだったのと、急に寒くなったのとで、
これは神様が勉強しなさいということだなと思い、
頑張って勉強してきました。

いくつかの講演・口演と、ポスターを拝見し、
気になったところを、僕の備忘録として書き留めておきます。

興味のない人はスキップしてください。
カッコ内は私見。

<「重力変化に対する前庭系の可塑性」 岐阜大学森田先生>
(宇宙の話との関連なので、
診療にはあまり関係ないかなと思って聞いていたら・・・)
宇宙飛行士が無重力状態から帰ってきたら
起立性調節障害をひきおこす。

これは、無重力に慣れると前庭の働きが抑制され、
前庭-交感神経反射の抑制につながり、起立時に働かないために
血液が重力の影響で下がってしまい、脳血流が低下する。

これは、無重力状態で生活した人の話だが、
頭をあまり動かせない状態で育てたラットでも
同じようなことが起るという。

つまり、頭を動かさないで寝ていて前庭が働かないと、
血圧調節の自律神経も弱るということ。

(演者はこの結果から、
宇宙から帰ってきた時の起立性調節障害の予防を
考えていらっしゃいましたが、
僕は長く寝過ぎた後にふらつく感じがするのは、
前庭機能の交感神経抑制が働かなくなるためだと思いました。
まさに「めまいは寝ててはなおらない」だなと。)

<高齢者のめまい>
・一条先生
高齢者では女性、外側半規管ヘビークプラが多い
頭位変換眼振検査では左右下頭位⇒坐位のあと、屈位までみる方がよい

・清水先生
認知症の患者77人中、難聴ありは76人と高率

・武井先生
歩き出しにふらつくが、歩き出すと大丈夫な人⇒パーキンソン病の可能性

・熊上先生
VBIの診断で、MRAで異常がなくても頸部エコーで異常があることも多いと

・高橋先生
高齢者のめまいの背景で多い⇒男性:不眠症、女性:不眠症+整形疾患