本:自分で治す!逆流性食道炎2

昨日に続き、
『自分で治す!逆流性食道炎』 清水公一, 洋泉社
を参考にお話します。
詳しくは本を読んでみて下さい。

胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Disease;GERD)は、
1)逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)と
2)非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease;NERD)
とに分けることができます。

この本の前半は、一般的な1)の逆流性食道炎について
詳しくかかれています。

逆流性食道炎が生じる原因は大きく2つに分かれます。
1)物理的な逆流防止のしくみが破壊されること
これには、
加齢・・・逆流を防ぐ弁が緩くなる
食道裂孔ヘルニア・・・横隔膜を越えて胃が食道側に入り込む
食道アカラシア・・・下部食道括約筋の不調
などがあります。もう一つが、

2)逆流防止のしくみが制御不能になること
・食べ過ぎ・飲み過ぎ
・肥満・・・腹圧の上昇
・妊娠中・・・腹圧の上昇
・姿勢の悪さ・・・猫背、骨粗鬆症で背骨の曲がり
などが考えられます。

逆流性食道炎が疑われた時の検査、
診断が確定した場合の治療法についても書かれています。

逆流性食道炎で気をつけておかなければいけないのは、
一つは鑑別診断。
実は狭心症や心筋梗塞だった、
あるいは食道がんがあった、
という場合もありますので、
症状から逆流性食道炎が疑われたら、
まずは最寄りの内科、消化器科で診てもらいましょう。


もう一つ気をつけておかなければならないのは合併症。
・誤嚥性肺炎・・・高齢者に多い
・食道がん・・・慢性的な炎症から粘膜ががん化しやすい
・貧血・・・潰瘍から出血
・バレット食道・・・食道粘膜が変性=がん化しやすい
・中耳炎・・・逆流した胃液が耳管に浸入
・むし歯・・・逆流した胃液が歯を侵食
・睡眠障害・・・就寝中に目が覚めやすくなる

セルフケアについても詳しく書かれています。

<食の生活習慣の見直し>
・食べ過ぎない、飲み過ぎない・・・腹八分目
・よく噛んで食べる・・・一口20回
・寝る前に食べない・・・できれば就寝の3時間前にすませる

<普段の生活習慣の改善>
・肥満の解消・・・BMI25未満
・食べてすぐ横にならない
・おなかを冷やさない・・・血流が悪くなり食道や胃の働きが低下
⇒これは僕はあまり意識していませんでした。
・食べてすぐ入浴しない・・・やはり胃への血流が低下
⇒これもあまり意識していませんでした。

・姿勢に注意
前かがみやうつむき加減の姿勢を長時間続ける
重いモノを持ち上げる時、ゴルフなど前傾姿勢も注意

そして姿勢のチェックについても書いています。
立位:後頭部・肩甲骨・お尻・ふくらはぎ・かかとが一直線
坐位:顔は正面、骨盤を立てる、足は床につける
就寝時:上半身を高め
・ウエストを強く締めすぎない
・カラオケも注意・・・大きな声を出すときは腹圧がかかる

<胃にやさしい食べ物>
・ビタミンU・・・緑黄色野菜
・消化酵素を多く含むものとして、
ジアスターゼ(炭水化物分解)、プロテアーゼ(タンパク質分解)、
リパーゼ(脂肪分解)を含んだ食べ物
・粘膜を保護するものとして、
ムチン(胃粘膜の主成分)、フコダイン(ムチンと似た働き)
を多く含んだ食べ物

その他、
・消化にいい食べ物
・避けた方がいい食べ物・嗜好品
などについて詳しく書かれています。