本『花粉症は1週間で治る(最新版)』4

もう1日、
『花粉症は1週間で治る(最新版)』 溝口 徹 著,さくら舎
に沿って、花粉症治療について見てみたいと思います。

6)亜鉛

女性が鉄なら男性は亜鉛が花粉症対策のポイントなんだそうです。(p.163)

亜鉛はビタミンAと一緒に働くことも多いようです。
亜鉛が不足すると免疫細胞が増えにくくなり、免疫力が弱まります。
また、亜鉛は体内の炎症を抑制する働きもあるそうです。

男性が亜鉛不足になりやすいのは、
精子の生成に亜鉛が不可欠だからなのだそうです。
また前立腺にも亜鉛がたくさん存在しているのだそうで、
男性は意識して亜鉛を摂る必要があるのだそうです。

7)糖質制限

オーソモレキュラー療法では、
必要とする栄養素を積極的に摂ることが中心になりますが、
その効果を邪魔をするために、避けたい栄養素があります。
それが糖質です。
”糖質が諸悪の根源”とこの本では書いてあります。(p.166)

糖質の過剰が好ましくない理由の一つは、
腸内環境を悪化させる悪玉菌のエサになるからだそうです。
花粉症の改善には腸内環境を整えることが大切なので、
糖質を制限する必要があります。

糖質制限食を行うと、
便通が悪くなりお腹が張ることがあるそうですが、
これは糖質制限によって増えたタンパク質を
十分に消化吸収できていないサインであり、
糖質制限が腸内環境を悪化させたわけではないのだそうです。
そのような場合は、消化酵素などを積極的に用いてでも
タンパク質をしっかり摂るとよいのだそうです。

糖質の過剰が好ましくないもう一つの理由は、
血糖値の乱高下が生じやすいからです。
血糖値が急上昇すると体内からインスリンが分泌され、
血糖値を下げようとしますが、
下がりすぎると、
コルチゾールやアドレナリン、ノルアドレナリンと言った
ホルモンが追加分泌されます。

こうしたホルモンは、
強いストレスがかかっているときに必要なため、
「抗ストレスホルモン」と呼ばれ、
自律神経のうち交感神経を刺激する働きがあります。
血糖の乱高下がたびたび起こると、そのたびに交換神経が刺激され、
自律神経のバランスが乱れます。
その結果、免疫システムもダウンしやすくなり、
アレルギー疾患を引き起こしやすいくなります。

さらに糖質過剰の好ましくないのは、
「糖化」と呼ばれる機能不全が生じやすくなることです。
食事から摂取した糖が体内のタンパク質にくっつき、
体温で加熱されると、糖と結合したたんぱく質は劣化して
本来の機能を失います。
糖尿病かどうかを調べるのにHba1cという指標がありますが、
このHba1cというのはヘモグロビンが糖化して
酸素を運べなくなったものです。

このような糖化した産物を
Advanced Glycation END Products(AGEs)と呼びます。
AGEsは、近年老化をもたらす要因として注目されています。
細胞内の酸化酵素を活性化して体を酸化させます。
体内のタンパク質の中で、
特にAGEsの影響を受けやすいのがコラーゲンです。
腸管にもコラーゲンが多く含まれていて、
この腸管のコラーゲンが糖化すると、
リーキーガット症候群の間接的な原因になり、
また腸管壁の柔軟性が失われ、腸内が荒らされ、
免疫システムが乱れて、花粉症が生じやすくなります。

糖化については、また別の機会にお話ししたいと思います。

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花粉症に対するオーソモレキュラーの基本はたったの7つ(p.181)

・タンパク質をとる(ただし乳製品は控える)
・質のよい脂質をとる
・糖質は控える
・ビタミンDを摂取する
・腸内環境を整える
・女性は鉄、男性は亜鉛をとる
・摂取量のポイントは、体にとって理想的な量であること

これに加えてこれも付け加えておきましょう。
・ビタミンAも適度に摂取する

7つが「たった」かどうかはわかりませんが、
最後に書いてあるように、今すぐすべてを行う必要はなく、
大切なのは、できそうなものからまずは始めてみることです。

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この本を最初に紹介したときに、
「フン!1週間で花粉症が治ったら耳鼻科は要らへんわ!」
と書きました。
まあ、なんと傲慢なことでしょう!

花粉症の時期、耳鼻咽喉科は非常に忙しい。
ただ、頑張って診察をしていますが、
考えてみれば、治療としてはほとんどは
抗ヒスタミン剤を出しているだけです。
漢方薬も処方しますが、
これも基本的には標治(対症療法)で、
本治(根本治療)ではありません。

当院では行っていませんが、
根本治療としては舌下免疫療法がありますが、
現在のところスギとハウスダストのみが対象です。
基礎疾患等で舌下免疫療法ができない人もいます。
効果が表れるのに時間がかかるのも欠点です。

オーソモレキュラー医学を意識した食生活は、
舌下免疫療法を行いながらでもできます。
まずは、糖質制限(甘いものを控える)と
ビタミンDを意識した食事をするだけでも
花粉症は軽くなるかもしれません。