本『花粉症は1週間で治る(最新版)』1

前回、前々回の続きで、
『花粉症は1週間で治る』 溝口 徹 著,さくら舎
この本をオーソモレキュラー療法をもとに見ていきましょう。
興味を持たれた方は本を買って読んでみましょう。
僕も前回は図書館で借りてきましたが、
改めて購入することにしました。
・・・そしたら、なんと!
最新版になってリニューアルしてました。

表紙も横書きから縦書きに変わってる(笑)!

では始めます。

1)タンパク質(p.56)

オーソモレキュラー療法の要はタンパク質です。
全身の細胞が理想的な速度で生まれ変わり、
乱れてしまった組織や臓器の機能を回復させるには、
タンパク質の代謝が必須です。

タンパク質の代謝がうまくいかないと、
たとえビタミンやミネラルが十分に補充されても
目的とするタンパク質が合成されません。

花粉症にならない体へと体質を改善するには、
タンパク質を積極的に摂取することが極めて重要です。

タンパク質を十分に摂取するには、
ある程度の摂取カロリーも必要です。
摂取カロリーが少ないと、
タンパク質がエネルギー産生に使われてしまうからです。
ただ、この時できるだけカロリーは脂質で摂ること。

また、適度な運動もタンパク質を有効に使うのに重要です。
激しい運動をするとエネルギーが消耗され、
タンパク質が使われるのはわかりますが、
運動不足もタンパク質のロスが大きいのだそうです。
これは意外です。
成長期の子どもはもちろん、高齢者や妊娠・授乳期の女性も
タンパク質の必要量が増大するので、
心にとめておく必要があるそうです。

なお、タンパク質の摂取が少ないと寿命も短くなるそうです。

重要なタンパク質ですが、これをどのように摂取するか。
肉、魚、卵、乳製品、豆など。
ただし、2つ注意点。
一つは、同じものを連日食べないこと。
同じタンパク質を連日摂ることで、
IgG型の免疫グロブリンができることがあり、
隠れアレルギーと言われる遅延型アレルギーを
形成することがあるそうです。(p.68)

もう1つは、乳製品と小麦に注意。
乳製品の乳タンパクに含まれるカゼインは、
免疫の要の一つである腸内環境を
悪化させることがあるとのこと。(p.68)
小麦はグルテンがアレルゲンになりやすく、
腸の環境を悪化させて、
花粉症をはじめとするさまざまなアレルギー疾患を
引き起こす可能性があるのだそうです。

なお、腸の環境が悪い人は、積極的にタンパク質を摂ると、
おなかが張ったり、ガスが増えたりする場合があるそうです。
そうした場合は、お肉は小分けにして食べたり、
パイナップルやパパイヤと一緒に食べるとか、
お肉をやめて魚にするのも一つです。
それでもうまく取れない場合は、
アミノ酸のサプリも一つなんだとか。
特にグルタミンは腸の粘膜を丈夫にして、
タンパク質の吸収をアップさせる働きがあるそうで、
グルタミンが配合されたアミノ酸のサプリがよいそうです。(p.61)

2)腸環境

上記の様に腸環境によって、
タンパク質の吸収率が変わるそうなのですが、
腸環境はその他にも、免疫に大きくかかわっています。

2018年に上述の本を紹介した時には、
腸壁のバリア機能が崩れて体内に高分子の物質や
有毒物質が侵入しやすくなり、アレルギー疾患をはじめとする
さまざまな病気の原因になっているという考え方である、
リーキーガット症候群というのは、
まだあまり知られていなかったように思うのですが、
今ではかなり浸透してきています。

7年前にこの本を読んだときは全く素通りしていた様なのですが、
このリーキーガット症候群ですが、
当院のブログでも過去に数回出てきています。

本:花粉症は1週間で治る!2
本:メンタルを強くする食習慣6

リーキーガット症候群を引き起こす原因としていくつか言われています。

・胃酸を抑える薬剤の長期的な服用
胃酸が過度に抑えられると、
酸に強い乳酸菌糖が存在するはずの上部消化管に
他の菌が増殖し腸内細菌層が乱れる。

・腸内のカンジダ感染
腸内にもわずかにはカンジダと呼ばれる
真菌(カビ)は存在すると思われますが、
抗生剤などの乱用により、カビが増殖しやすくなります。

・乳製品のカゼインと小麦のグルテン
通常の消化酵素では分解されにくいため、
腸内に長くとどまることになります。
これが腸の粘膜に微小な炎症を引き起こし、
腸粘膜の接合部(タイトジャンクション)が緩くなり
腸漏れが引き起こされます。

・糖質の過剰
吸収されずに腸内にとどまった糖質は、
カンジダを含めた悪玉菌の餌になります。

・アルコールの飲みすぎ
アルコールは腸のタイトジャンクションを緩め、
リーキーガット症候群の原因になります。
また、アルコールは血管透過性を高め、
顔がむくんだり、ミネラルの消耗が進行しやすくなります。

次回に続きます